去年の熊手は処分すべきなのでしょうか?
前年の熊手を保管しても問題ないのでしょうか?
毎年新しいものに交換することで、恩恵を受けることができるのでしょうか?
これらの疑問に答えます!
お気に入りの熊手を持っている場合、どうすれば良いのか、
返納や廃棄を選択する際に知っておくべき方法について、
具体的な例を挙げながら詳しく説明します。
去年の熊手を必ず廃棄すべき?
「運気を呼び込む」
「財を集める」
「幸福を引き寄せる」
これらの目的で飾られる『熊手(くまで)』。
熊手は商売繁盛や幸運をもたらす縁起の良いアイテムとされています。
商人には欠かせないアイテムであり、商売以外の人々にも、家庭の平安や恋愛の成就、健康や勝利など、さまざまな願いを叶えるアイテムとして人気です。
熊手は、毎年少しずつサイズを大きくする、同じ店で買うと良いといった言い伝えがあります。
これらは、販売側の戦略や商売の戦術とも取れる話ですね(笑)。
では、熊手は本当に毎年新しく購入する必要があるのでしょうか?
去年の熊手を処分すべきか
結論として、去年の熊手を処分する必要はありません。
熊手は、酉の市や十日戎(えびす講・えびす様)、正月などで購入されることが多いです。
「熊手は1年で使い終わる」
という風潮がありますが、
実際には、熊手には「1年で使い終わる」という明確な教えやルールは存在しません。
熊手には、「1年経過したからといって廃棄しなければならない」というルールもエチケットもありません。
熊手を販売する期間に、古い熊手を奉納する、焚き上げるといった行事が行われますが、これは新しい熊手に交換することを推奨するものではありません。
ですから、現在飾っている熊手をそのまま続けても全く問題ありません。
去年購入した熊手や古い熊手を飾り続けることは珍しくありません。
私の知人の中にも、
「大切な人から贈られた熊手だから、特別な思い入れがある」
という理由で、長年同じ熊手を飾り続けてる家庭があります。
熊手は縁起が良いとされるため、贈り物としても人気があります。
地元の繁盛している寿司店では、入口に古い熊手を飾っており、その年月を感じさせます。
個人宅でも、同じ熊手を大事に長く飾っている例は珍しくありません。
中には、親や祖父母の代から受け継がれている家庭もあります。
熊手を処分するかどうかは、個人の判断に委ねられています。
去年の熊手に愛着がある、または特別な思い出がある場合は、引き続き飾っても良いでしょう。
また、古い熊手の処分方法としては、焚き上げや奉納の行事に参加する、リサイクルする、自然に還る方法で処分するなど、いくつかの選択肢があります。
最終的には、熊手との個人的な関係や信念、習慣に基づいて判断することが大切です。
熊手を新調しないと福が逃げる?
昔の熊手を続けて飾っても、福を逃がすことはないのでご安心を。
お気に入りの熊手があれば、新たに購入する必要はないでしょう。
普段から熊手とその周辺を清潔に保ち、こまめに掃除してほこりを取り除けば、良い運気が流れやすくなります。
神様は特に清潔な場所を好むとされています。
新しい熊手への買い替えを迷っているなら、盛り塩を置いたり、塩でお清めをするなどしてみてください。
熊手の適切な廃棄方法は?
愛用した熊手を廃棄する際の方法を紹介します。
熊手は、購入した場所に返却するのが一般的です。
酉の市で買った熊手なら、酉の市が開催される時期に設けられている「納め所」へ返納します。
たとえば、浅草の酉の市であれば浅草鷲神社(おおとりじんじゃ)や長國寺(ちょうこくじ)の入口に「古熊手納め所」があります。
十日戎(えびす講・えびす様)で購入した場合はその神社へ、初詣で買った場合はその神社へ返納することになります。
新しい熊手を求める際は、前年の熊手を持参して、返納所に預けた後に新しいものを購入するのが一般的です。
去年のものでなくても、より古い熊手でも返納所へ持ち込めば受け入れてもらえます。
熊手を返却する際は、これまでの感謝を込めて行いましょう。
注意事項!
熊手の大入り袋に5円玉が入っていることがあります。
熊手の取り扱いと5つの廃棄方法を知っておくべきです。
5円玉は「ご縁」と言葉遊びで縁起が良いとされ、穴が開いていることから「見通しが良い」とも言われています。
神社などでの賽銭として好まれる理由もこれにあります。
そのため、熊手の大入り袋に最初から入っていることがあります。
返納する前に、大入り袋の中身をチェックしましょう。
酉の市や十日戎で熊手を返納できなかった場合の対応
酉の市や十日戎に熊手を持っていくことができない時、どう対処すればよいでしょうか。
遠方での購入や贈り物として受け取った場合の返納先の選び方や処分方法について説明します。
■ 地元の神社で返納
旅行先での購入や贈り物として受け取った熊手の場合、元の購入先への直接返納が難しい場合があります。
その際、近くの神社で返納を受け付けてもらうことが可能です。事前に神社に連絡して確認してください。
■ 御焚き上げによる処分
小さいサイズの熊手の場合、「御焚き上げ」による処分を受け入れている場所があります。
大晦日や元日に近くの神社やお寺で行われるお札の「御焚き上げ」の際に、熊手をお賽銭と共に納めることができます。
これについても、事前に問い合わせが必要です。
■ どんと焼き(どんど焼き)での処分
熊手を「どんと焼き」で焼却する方法もあります。
どんと焼き(または「どんど焼き」)は1月15日の小正月に行われる火祭り行事で、お正月に使ったしめ縄や松飾り、書き初めなどと共に燃やします。
地域や風習によっては、お守りやお神札と共にお焚き上げを行うこともあります。
熊手の処分にこの行事を利用する人も多いです。
ただし、神社やお寺によっては受け入れていない場合もあるため、事前の確認が重要です。
■ 自分で処分する方法
熊手は、自分で処分することもできます。大きなものは分解し、小さいものはそのままで、新聞紙などに包んで自治体のゴミ収集日に出すことができます。
包む際には、お清めの塩をかけるとよいです。
以下は、神奈川県の菊間神社で紹介された家庭でのお清め方法です。
家庭でのお清め方法:
・新聞紙を広げ、その上に熊手を置きます。
・熊手にお塩を左右左の順で三回かけます。
・新聞紙で包み、そのままゴミとして出します。
熊手は神様が宿るものではなく「お飾り」なので、自治体のゴミ収集で処分しても問題ありません。
処分する際は、「今までありがとうございました」と感謝の気持ちを込めて行いましょう。
前年の熊手の適切な扱い方と5つの廃棄方法のまとめ
熊手は、商売繁盛や幸運を招くとされる縁起の良いアイテムです。
前年の熊手をそのまま保持しても問題はありません。
「一年経過した熊手を必ず処分しなければならない」という明文化された規則やエチケットは存在しません。
熊手の販売期間中に行われる古い熊手の奉納や焚き上げの行事は、新旧の熊手の交替を促すものではありません。
したがって、現在飾っている熊手を継続して飾ることに全く問題はありません。
通常、熊手は購入元に返却します。
年ごとに新しい熊手を購入する場合、前年の熊手を持参し、返納後に新しいものを選ぶのが普通です。
前年のものに限らず、どの年の熊手も返納所に持ち込めば処理してもらえます。
以下の5つの方法で熊手の廃棄が可能です。
1.販売期間中に返納所に持っていく
2.近隣の神社に返納する
3.お焚き上げによる処分
4.どんと焼きで焼却する
5.自分で廃棄する
いずれの廃棄方法も難しくありませんので、安心してください。
熊手を飾る際は、縁起の良い場所を選び、たくさんの福を呼び込んでください。